解放&介抱【ベンゾイン】

精油のチカラ2

ベンゾイン(安息香)

benzoin

学名:Styrax benzoin
科名:エゴノキ科

 

ベンゾイン・・・。
変な名前っっ!というのがファーストインプレッションです。
その後、「ベンゾ院鳳凰堂」などと勝手な名前を付けて親しんでまいりました。

 

日本では生育しない種類の植物です。
ジャワ、スマトラ、タイなどが主な生育地で、
木の樹液が固形化したものなので正確には精油じゃなくて樹脂ですね。
多くの精油を抽出するときの方法、水蒸気蒸留法ではなくて、
溶剤抽出法という手段で成分を抽出します。

 

 

とても甘い香り。
甘ったるいといってもいいかもしれない。
けれど、イランイランのそれとはまたタイプが違います。
昔からわりと好きなタイプの香りなんですが、
うちの母などは「べー。きもちわるっ」と表現します。

ひ、ひどいよおかあさん( ;∀;)

 

 

ベンゾインの持つ効用は、心をあたためること。
ひび割れた皮膚にもなかなかよくって、
庭仕事をするお客様のためにクリームを作ったことも。
あかぎれなどにも良いそうですが、なにせこの香りですから台所仕事の邪魔になるかな。
肺を強くする作用も持ち合わせているので、気管支炎とか咳などにも。
ただこれ、前回紹介したマジョラムみたいに蒸気吸入には適してません。
ポトリと重たく垂れる精油なので、肺関係に使うならすりこみかな。

 

 

IFAスクール在籍時代に、施術の練習をしょっちゅうしていました。
同じ沿線に住むクラスメイトの家に行っては、お互いトリートメントして。
あのころ実は、付き合っていた彼と別れるとかなんとかで
ちょっとしんどい時期だったんですよね・・・。
やっぱり男女関係の不和って生活に大きく影響するもので、
なんだか心がヒンヤリしていたんです。
イライラもするし、さみしいし、ちょっと不安定にもなっていた。
そんな時、施術練習でベンゾイン使ってもらって。
わたし好きな香りだし、なんでもいいから今の状態でブレンドお願い!って。
そうしたらね、もちろんオイルトリートメントそのものの効果もあるけど、

★解放&介抱してくれた★

そんな風に感じられたんです。

 

 

とっぷり温かくてまったりしたお湯の中にいる感覚です。
重力も感じなくて、とにかくたぷ~んと浮いてるようなかんじ。
「だいじょうぶだよ~」って誰かに言ってもらっているような。
とにかく、施術を受ける前とは全く違う心の状態になっていて、
なんか、もう大丈夫かなって(根拠のない自信というやつね)思えて、
ふわふわ柔らかい気持ちで帰宅したことを昨日のことのように思い出します。

 

 

ベンゾインは、わたしの体験としていうならば、
心と体の傷を癒してくれる精油です。
絆創膏とか消毒薬っていう感じではなくて、
なんといったらいいかねえ~~
温かい空気のような存在が知らぬうちに傷を癒している
でもそれには人の手があってこそ
みたいな(わかる?)存在、それがベンゾインです。
マジョラムのように擬人化はできない感じです。
存在、見えないけれど必要な時にそばへ来てくれる存在。
まだまだ続く精油シリーズ。

第二回目はベンゾインでした(^O^)/